レッドキングは、ウルトラシリーズに登場する架空の怪獣の名称である。別名「どくろ怪獣」(マックス版は除く)。
概要[]
昔からファンに愛されている人気ウルトラ怪獣で、ウルトラシリーズで初めて「具体的に強い怪獣」と設定された怪獣である。好戦的で凶暴でありながらも、どこか憎めないコミカルな描写が多い。全身が蛇腹のような凸凹に覆われたデザインが特徴的で、高さを強調するために足元から頭頂部に向かって体全体が細くなっている。初登場は『ウルトラマン』の第8話であり、その着ぐるみの頭部を取り替え、体色を青く塗り直してアボラスとして第19話で再利用された後、再度頭部を作り直して第25話に再登場した。
当初のデザインでは名前通り赤い体色の怪獣だったが、高山良策から納品された着ぐるみは現在知られている白系統の色の怪獣だったことから、デザイナーの成田亨は驚いたが、撮影は塗り直しをせずに行なわれたため、現在の姿となった。なお、後の円谷プロによる設定では「この上なく凶暴で赤い血を見ることを何よりも好む」ため、レッドキングと呼ばれているということになっている。作中の凶暴なイメージとも合うため、後付けながらこの説を支持するファンも多い。
『ウルトラマンタロウ』に登場したタイラントの足として紹介される際にレッドキングを指して「怪獣の王様」として紹介された雑誌もあったが、以後強力な怪獣が登場した為、このネーミングはこの時期で消えた。
『帰ってきたウルトラマン』第37・38話に登場するブラックキングは児童誌の設定では兄だが、書籍によってはレッドキングを改造、又は改良した個体だとする場合もある。
スタッフ[]
- デザイン:成田亨
- 造形:高山良策
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
『ウルトラマン』に登場したレッドキング[]
(初代 & 二代目共通)
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
- スーツアクター
- 荒垣輝雄(第8話)
- 鈴木邦夫(第25話)
初代・二代目共に劇中で名前を呼ばれていない。
初代[]
特撮テレビ番組『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」(1966年9月4日放送)に登場。
- 出身地:太平洋・多々良島
火山活動のために無人島になっていた多々良島に生息する怪獣としてチャンドラーやマグラーらと共に登場した。チャンドラーの右の翼を引きちぎって退散させたり、その咆哮を耳にしたマグラーが地中に姿を隠す等の様子から、怪獣のボス的な存在であることが伺われる。知能はそれほど高くはなく、頭上に掲げた大岩を自分の足に落としてしまうなどコミカルな面を見せるが、何もしていないピグモンを岩を投げて殺害する等、本質的には非常に凶暴である。自慢の腕力を使った岩石投げ、体当たりなどを得意とする。岩石投げの際にスペシウム光線を受けて岩石を足に落とし、弱ったところをウルトラマンの背負い投げで倒された。ウルトラマンがかなりの余力を残し、カラータイマーが青のうちに倒すという、シリーズ中でも数少ない怪獣だった。
二代目[]
『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」(1967年1月1日放送)に登場。
- 出現地:日本アルプス
初代とは別の銀白色の体の個体で、彗星ツイフォンの接近で地球上の水爆が爆発する可能性がある騒動の中、以前オホーツク海に投棄された水爆を飲み込んだままギガスとドラコと共に日本アルプスの山中で三つ巴の死闘を繰り広げた。戦闘で見る限りどちらかと言えばギガスの味方をしており、ギガスに戦いの手本を見せたり、ドラコがギガスに対して優勢になると見ていられず乱入したりした。水爆の存在で手をこまねく科特隊をよそにドラコとギガスを圧倒して力を誇示し、さらにウルトラマンを苦しめるが、最後はウルトラマンの念力と八つ裂き光輪を併用したウルトラエアキャッチで体を切断され、水爆の詰まった頭部は宇宙に運ばれて爆破された。強靱な腕力を使った羽交い締めやパンチなど、主にプロレス技を駆使していた。二代目以降はパワード版まで瞳に白目が入っている。
『ザ☆ウルトラマン』に登場したレッドキング[]
テレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』第27話「怪獣島浮上!!」(1979年10月3日放送)に登場。
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
- 出身地:怪獣墓場
怪獣墓場で眠っていた個体を、バラドン星人にアーストロン、ゴキネズラ、バニラ、ゴーストロン、アボラスと共に蘇生させられた上で怪獣島に収容されて地球へ送り込まれた。この時のレッドキングは外見がかなり違うが、更に大きく口を開けその口から光線を吐くので印象が異なって見える。科学警備隊が怪獣島に侵入したため、奥の手として出現し、警備隊を攻撃する途中、ついでにゴーストロンを口から吐く光線で倒した。ウルトラマンジョーニアスと戦い、ジョーニアスがアーストロンとの戦いで疲れた事をいい事に、プラニウム光線を受け付けず格闘戦で苦戦させるが、最後は必殺技ブーメランギロチンで真っ二つにされた。
『ウルトラマン80』に登場したレッドキング[]
特撮テレビ番組『ウルトラマン80』第46話「恐れていたレッドキングの復活宣言」に(1981年2月25日放送)に登場。便宜上「三代目」と呼ばれる。
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
- 出身地:東京近郊
壺の精「マアジン」が、子どもたちの「レッドキング(のおもちゃ)が欲しい」というリクエストを勘違いして本物を呼び出したために出現した。実は本物ではなく、魔法で生み出された限りなく本物に近いイミテーションである。デザインは二代目に初代の牙を合わせたような顔で、初代や二代目と比べると全身に青みがかかっている。反射神経が良く、素手で戦闘機を叩き落したり80のキックをかわしていたが、80に足を踏まれて痛がる声を出すなどコミカルな一面もある。噛み付きや尻尾攻撃など以前とは戦法が大きく変わっていたが、好戦的な性格は変わらず80を苦戦させた。子どもたちの声援を受けた80の連続攻撃の後にムーンサルトキックキックを受けて怯んだところにサクシウム光線を受けて爆発した。姿は初代よりも二代目似であり、初めて市街地で暴れた個体でもある。
- 造形:若狭新一
『ウルトラマンパワード』に登場したレッドキング[]
パワード・レッドキング(雌)[]
特撮テレビ番組『ウルトラマンパワード』第3話「怪獣魔境に飛べ!」(米国版サブタイトル:A QUARTET OF CREATURE)に登場。
- 身長:60メートル
- 体重:3万トン
- 出身地:ギアナ高地
ギアナ高地でレイロホと呼ばれて恐れられる黄色い体の怪獣。力が強く、尻尾を相手に叩き付ける戦法が得意で、パワード・チャンドラーの縄張りに入り込んで争い、一度は敗退するが二度目の復讐戦でパワード・チャンドラーを崖に激突させて倒した。パワードと戦っている途中に目つぶしを受け、崖から転落して消息を絶った(転落死したという見方が強い)。
パワード・レッドキング(雄)[]
『ウルトラマンパワード』第3話「怪獣魔境に飛べ!」、第12話「パワード暗殺計画」(米国版サブタイトル:FALLING STARS SPELL TROUBLE)に登場。
- 身長:70メートル
- 体重:4万2千トン
- 出身地:ギアナ高地
ギアナ高地でレイロホと呼ばれて恐れられる赤い体の怪獣。雌よりも体が一回り大きく、怪力も上で、岩石を投げたり強烈なパンチで攻撃する。パワードに苦戦する雌を救いに現れてパワードを苦戦させるが、雌が崖から転落して消息を絶ったため、戦意を喪失してパワードになだめられた。第12話では地球に飛来したパワード・ドラコと戦うが、鎌で首を切られて倒れされた。なお、第3話に登場した個体と第12話に登場した個体が同一であるという描写は無いが、鳴き声が違うので別個体だと思われる。
雄雌共に足の指が4本ある。
『ウルトラマンマックス』に登場したレッドキング[]
特撮テレビ番組『ウルトラマンマックス』第5話「出現、怪獣島!」、第6話「爆撃、5秒前!」、第36話「イジゲンセカイ」に登場。
- 身長:60メートル
- 体重:7万トン
- 出身地:謎の島・サブジェクトファントム
他のレッドキングとは異なり、装甲怪獣と呼ばれる。体内に爆発性の岩塊を飲み込んでおり、それを吐き出して攻撃する。非常に凶暴で、第5話でサラマドン、第6話でパラグラーを倒したが、体内の爆弾岩石が尽きたために咥えた岩石をマックスのマクシウムソードで爆破されて体内に引火し、気絶してしまった。マックスに宇宙空間へと運ばれ、マクシウムカノンで粉砕された。今までのレッドキングとは全く異なり手先が器用で、親指と人差し指でピグモンを持ち上げるといった細かい動作を行い、尻尾攻撃など独自の戦い方で暴れるが、自分で空けた地面の穴に足を引っ掛けて転倒して暴れるなど、初代に通ずるコミカルな描写が目立った。
第36話で別個体が登場。シャマー星人の陰謀でピグモンと共にこの世界に現れた。相変わらず体内に爆発性の岩石を蓄えていたが、マックスに閉鎖空間へ閉じ込められ、光線を撃たれて死亡した。
『ウルトラマンメビウス』に登場したレッドキング[]
特撮テレビ番組『ウルトラマンメビウス』第42話「旧友の来訪」に登場。
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
- 出身地:太平洋・多々良島
ドキュメントSSSPに2件、ドキュメントUGMに1件記録が確認されており、多々良島に現れた黒ずくめの男(ヤプール人) が操るガディバが同化して現れた。ガディバが総合的な能力を過去の個体よりもパワーアップさせており、巨大な岩を投げ飛ばす怪力に加え、空を飛ぶガンブースターまでジャンプで届くようになった。しかしやはり粗雑な部分も健在で、投げようとした岩が見つからず必死で周囲を探し、投げ飛ばそうとした岩をGUYSの攻撃で足に落とされてのたうちまわり、その痛む足で岩を蹴飛ばそうとしたりとユーモラスな行動が目立つ。最後は岩場に突っ込んで頭をくらくらさせているところにメビウスのメビュームシュートを浴びて倒れるが、その肉体を媒介に、かつてゴモラの遺伝子情報を取り込んでいたガディバによってゴモラに変化させられてしまう。
- 着ぐるみは『ウルトラマンマックス』で使われた物の流用。
- 第21話でも怪獣墓場に眠っている姿が確認された(着ぐるみはこちらも『ウルトラマンマックス』で使われた物だが、状況から過去に倒された個体とされる)。
『ウルトラマン超闘士激伝』に登場したレッドキング[]
漫画作品『ウルトラマン超闘士激伝』に登場。闘士五獣士のリーダー格。
『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』に登場したレッドキング[]
名称は改造レッドキング。メフィラス星人の部下となったバルタン星人に改造・強化を施されたレッドキングで、肥大化した両腕と皮膚の隙間が赤く発光しているのが特徴。溶岩エネルギーが体内には蓄えられており、高熱を帯びた腕に掴まれた岩石は一瞬で溶岩と化す。また怪力もパワーアップしており、最大限に送り込まれた溶岩で肥大化した腕の一撃はウルトラマンをも粉々にするほど強力である。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に登場したレッドキング[]
特撮テレビ番組『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第1話「怪獣無法惑星」、第7話「怪獣を呼ぶ石」、第11話「ウルトラマン」に登場。
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
第1話ではテレスドンとサドラの戦いに乱入して2匹を叩きのめし(テレスドンは途中で逃走した)、ZAPクルーに襲い掛かる。スペースペンドラゴンの攻撃もものともせずに進撃したが、レイが呼び出したゴモラと戦い、最後は超振動波で爆散した。
第7話ではブルトンに呼び出された別個体が現れ、ゴモラと戦う。最初はネロンガとテレスドンの戦いを傍観していたが、2匹が倒されるとすぐさまゴモラに襲い掛かった。ゴモラを追い詰めるが、ファイヤーリトラのファイヤーストライクを飲み込んで苦しんでいるところに超振動波を撃ち込まれ、体内と体外の両方からダメージを受けて倒された。
第11話ではカレンの回想シーンの廃墟でアーストロンと戦った。現れた場所が第1話と第7話の個体と違うことから別個体だと思われる。
- 着ぐるみは『マックス』や『メビウス』で使用された物の流用。
その他[]
- 『ウルトラセブン』の企画段階では、アントラー、ペギラ、パゴスと共にカプセル怪獣として登場する構想があった(蛇足ではあるが、『ウルトラマンメビウス』の玩具「DXガイズメモリーディスプレイ」のオプションのマケット怪獣セットにはレッドキングが含まれており、当時の構想が設定を変えて玩具で実現した形になる)。
- ブラックキング共々、アニメ『ふしぎの海のナディア』第29話に登場するメカ“アイアンキング”の個々の名前の元ネタである。
- 同じ円谷作品である『電光超人グリッドマン』第2話に登場する怪獣バモラは、この怪獣がモデルとなっている。
関連項目[]
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