ウルトラマン80は、ウルトラシリーズに登場するキャラクター。
変身方法[]
矢的猛が正拳突きのように両拳を右・左の順に連続して突き出したあと、「エイティ!」と叫びつつ右手で棒状の器具・ブライトスティックを頭上に掲げると、スティック内部に収納されたクリスタル状の発光装置が飛び出して変身する。
ブライトスティックは銃のアタッチメントとしての使用も可能で、ウルトラシリーズ初の「変身以外の用途にも使える変身アイテム」でもある。これを利用して地球人に変身したゴルゴン星人の正体を暴いたり、ザタン星人を射殺した。また、バリアーを張ることも可能で、ギマイラが角から放った光線を弾き飛ばした。
能力[]
- 身長:50メートル
- 体重:4万4千トン
- 年齢:8000歳
- 飛行速度:マッハ9
- 走行速度:時速1700キロ
- 水中速度:630ノット
- ジャンプ力:700メートル
アクロバティックな跳躍と多彩な光線技が特徴である。
- サクシウム光線
- 左腕を上に、右腕を横に伸ばした後、L字型(逆L字型の場合もある)に組んで放つ、80が最も得意とする必殺光線。エネルギーを調節することで、爆破するタイプや炎上させるタイプなどに使い分けられる。設定ではセブンのワイドショットと同等かそれ以上の威力とされる(古い資料には、タロウのストリウム光線よりも強力とするものもある)。左右どちらの腕からでも発射可能。右拳を握って赤外線を含ませた「ガッツパワー光線」というバリエーションもあり、赤外線に弱いグロブスクを倒した。ネーミングはsuccessから。
- バックルビーム
- 腹部のウルトラバックルから出す光線。無数の光の矢を一点に収縮させて敵を貫く。サクシウム光線の通じない怪獣に対して使う場合が多い。メビウスでの登場回ではこの技で、桜ヶ岡中学校のマイナスエネルギーから発生したホーを浄化した。
- 八つ裂き光輪
- 初代ウルトラマンから教わった技で、バルタン星人(6代目)を真っ二つにした。ウルトラマンのものと異なり、外周にのこぎり状の刃はなく、リング状である。
- ウルトラレイランス
- サクシウムエネルギーを槍状にして投げつけ、敵を刺し貫く技。ダロンを倒した。『ウルトラマンメビウス』客演時にも繋ぎ技として使用した。
- ウルトラスパイラルビーム
- 両手先を合わせて発射するリング状の光線。アブドラールスのUFOを撃墜した。『ウルトラマンメビウス』客演時にも敵の撃墜のために使用した。
- ウルトラアローショット
- 手先から発射する矢尻型光弾。威力は低いが連射可能で、ノイズラーに使った。サイドスローで撃ち出す変形型もあり、そちらは「ウルトラスラッガー投げ」と呼ばれ、オコリンボールとザキラにダメージを与えた。強化版の「ウルトラダブルアロー」は、左右の手から1発ずつ交互に発射され、敵に連続で斬りつけてから戻ってくる技で、ガルタン大王の青竜刀を破壊したほか、ガビシェールの肩の管などを切り裂いた。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではウルトラマンベリアルに対して使用した。
- ウルトラアイスポット
- 両目から放つ赤い光線で、再生能力を持つサラマンドラの細胞を焼き尽くしたほか、ファイヤードラコなどにダメージを与えた熱線タイプと、マイナスエネルギーで凶暴化したジャッキーを正気に戻し、ジャッキーが体内から抜けておとなしくなったズルズラーを元の象に戻した還元光線タイプがある。
- イエローZレイ
- 腕を伸ばして指先から放つ、リング状の黄色い光線。メカの機能を狂わせる効果がある。アルゴンのUFOや、ロボフォーに使った。
- ウルトラオーラ
- 全身のエネルギーを溜めて、光の矢に変えて放つ強力技。命中すると熱エネルギーが敵を包んで消滅させる。ゴースドンを倒した。
- フリージィングレーザー
- 両手の先を合わせて放つ超低温ガス。ザタンシルバーの動きを止めた。
- タイマーショット
- 胸のカラータイマーから放つリング状の電撃光線。ザタンシルバーの傷口に放って内部メカを破壊して倒したほか、説得で動きが鈍った妄想ウルトラセブンの活動を止めた。バルタン星人(6代目)にも使ったが、あまり効果がなかった。
- ウルトラショット(ウルトラストレートフラッシュ)
- 腕を真っ直ぐに伸ばして手先から放つ光線。威力が低いため牽制技として多用された。両手先を合わせて放つ強化版もあり、こちらはガモスに使用した。
- シューティングビーム
- 手先から放つ光線。主に牽制に使用され、腕を開いて放つエネルギー波タイプをロボフォーに、腕を閉じて放つ針状光弾タイプをバラックシップに使った。
- ハンドアップ光線(雲流レイ)
- 両手のひらを上に向けて放つエネルギー波で、サクシウム光線と同等の威力があるらしい。アルゴンを倒した。
- スパーク光線
- 敵の頭上を空中旋回しながら胸のカラータイマーから連射する電撃光線。メカギラスの回路をショートさせた。
- タイマースパイラル
- 胸のカラータイマーから放つ渦巻状の光線。80に凧揚げされて空に浮かぶゴースドンに使った。ゴースドンは回転しながら墜落した。
- フラフープ光線
- 光の輪を敵の頭上に放ち、光の輪は真下に無数の輪を発生させて敵を包み込んで消滅させる。ゲラを倒した。
- ボディスパーク
- 全身から高圧電流を流して自分を捕らえている敵を痺れさせてふりほどく。ズラスイマーなどに使った。
- ダブルスパーク
- 胸の前で交差させた両手から光を放ち、敵の目を眩ませる。光に弱いアルゴ星人に使用。
- メディカルパワー
- 生命力を活性化させる光線。第6話で入院中の明男少年を治療し、第31話でゾラが枯らした花畑を復活させた。
- リングリング光線
- 両手を合わせて放つリング状の黄色光線。イダテンランをマラソン小僧に戻した。
- ウルトラウェーブ
- 右手から放つ青い波状光線。可視光線の歪みに隠れたグロブスクを発見した。
- 透視能力(ウルトラシューティングアイ)
- 姿を消したバルタン星人(5代目)を探し出した。変身前でも使用可能で、XXレントゲン光線、赤外線、ウルトラアイと、数種類存在する。
- 縮小光線
- 胸のカラータイマーから放つリング状光線。ミューを小さくした。
- ウルトラカンノン光線
- ズラスイマーを封印していた平和観音像とともに放つ光線。ズラスイマーをおとなしくさせ、地底に封印した。
- ウルトラナックル
- 左右の拳から連続で放つ強烈なパンチ。ガモス戦では、空中からマッハ9のスピードで急降下して放つ「フライングパンチ」を披露した。
- ウルトラチョップ
- 手先に集めたエネルギーを叩き込む鋭いチョップ。地球で最初に戦った相手のクレッセントには手先を赤く燃え上がらせて放ち、その後もゴモラIIやガモスなど多くの怪獣に使用した。
- ウルトラ拳
- 腕先にエネルギーを集中して赤く光らせて決めるチョップ。メカギラスに対して使用したが、バリヤーで防がれてしまった。
- 80キッ
- 突進してくる敵に正面から浴びせる、スピーディなキック。
- 爆弾キック
- 足先に注ぎ込んだエネルギーが、敵に命中すると同時に爆発する強烈なキック。
- カンガルーキック
- 地面に手を突いた状態で、両足を後ろに蹴り上げ、相手を跳ね飛ばす技。主に背後から襲いかかる敵に有効。
- ウルトラ400文キック
- ジャンプして敵の頭部目掛けて決めるキック。繋ぎ技として多用される。
- ムーンサルトキック
- 空中で1回転しながら急降下し、足先を発光させてキックを決める。ギマイラを倒したほか、ガゼラの胸の増幅器を外したり、レッドキング(3代目)に大ダメージを与えた。
- 逆立ちアタック
- 相手の足元で倒立し、強力な蹴りを見舞う技。
- ウルトラスウィング
- バルタン星人(5代目)の足を掴んで振り回し、宇宙船に投げつけて倒した。80はほかにも岩石落とし、背負い投げ、首投げ、巴投げといった投げ技が使える。
- ウルトラパワー
- 怪力を発揮した両腕で相手を頭上に持ち上げ、地面に叩きつける荒技。また、同種の技として、怪力によってメダンを宇宙空間へ運搬した「ウルトラリフティング」もある。
- ウルトラボディアタック
- 跳躍して繰り出す体当たり技。他にも飛行中の状態から繰り出す同種の体当たり技「ウルトラフライングアタック」もある。
- ウルトラヘッドロック
- 相手の首を強く締めつけて、戦闘能力を奪う技。
- ダイナマイトボール
- 体をボールのように丸めて敵の周囲を飛び回り、何度も体当たりする。グロブスクに使った。
- 瞬間停止能力
- 指を鳴らし、ウルトラ念力で相手の動きを一瞬封じる。テツオンの体内に侵入するために使った。
- ウルトラリダクション
- 体をミクロのサイズまで縮小する。ズルズラーやテツオンの体内に侵入するために使った。
- ディフェンス念動
- 念力で敵の攻撃を押し戻す。ゾラの毒花粉を押し戻した。
- リバウンド光線(リバウンドミラー)
- 光の壁を作り出して敵の攻撃を防ぐ。サラマンドラの炎やバルタン星人(5代目)の攻撃を防いだ。
- ハレーションミラー
- 両手で持てるサイズの鏡を作り出して敵の攻撃を跳ね返す。ザルドンのテレポート光輪を反射した。
- ウルトラVバリヤー(ウルトラクロスガード)
- 両手を交差させて敵の攻撃を防ぐ。クレッセントの熱線を防いだほか、アブドラールスやタブラの光線を防ぎ、直後にサクシウム光線で反撃した(この一連の反撃を「反撃サクシウム光線」とも称される)。
- ローリングウォッシュ
- 遠心力を利用して体に付着した異物を振り払う。高速でスピンしてアルゴ星人の溶解泡を吹き飛ばした。
- ウルトラサンダー
- 自らの体を避雷針にして雷を誘導する危険な技。体にガスを溜め込んだメダンに落雷させないために使った。
- テレポーテーション(ウルトラテレポーテーティング)
- 地球から別の惑星や異次元空間に移動する。ザルドンと異次元で戦う時や、ガウスを別の惑星に運ぶために使った。
- 異次元テレポートビーム
- バム星人が作り出した四次元空間を消滅させた。
- ウルトラ高周波(スピンリングレイ)
- 高速でスピンしながら高周波を放つ。高周波の音が弱点のガモスに使った。
- カイトストリング
- 腕から発射する、赤・青・黄色の数本の凧糸。ゴースドンを凧のように絡め取った。
- ウルトラウインド
- ウルトラ念力で突風を巻き起こし、カイトストリングで絡め取ったゴースドンを空に飛ばして凧揚げをすることで、動きを封じた。
- 真剣白刃取り
- ガルタン大王の青竜刀を受け止めた。
- ウルトラブーメラン
- 頭頂部から赤い光のブーメランを放つ。放映当時の児童誌ではザルドンの肩の角を切断した光線として解説されていたこともある。本編未使用だが、幾つかのコミカライズ作品では切断技として描かれている。
デザイン[]
美術の山口修によるデザイン。シリーズを追うごとにウルトラマンのデザインが装飾過多になったため、高野らの意見もあり、この80は初代ウルトラマンをイメージしたシンプルなものにされた。また人間っぽさを仮面で表現しようと努めたそうで、これを強調するために鼻梁が設けられ、また顔面のアクセントとして、トサカ部分が赤く塗られた。
造形は開米プロダクション。両目のふちを盛り上げ、のぞき穴を目立たなくする工夫が採られている。ファスナーを隠すため、従来とは違った手法が採られ、マスクはFRP製で後頭部まで一体型で製作された。前後分割形式の仮面となったため、後頭部のウェットスーツ地はこれに隠れる形となった。またファスナーを隠すための背びれがなくなった。カラータイマーの発光装置として発光ダイオードが採用された。
変身シーンで拳を突き上げたポーズの80のミニチュアは、同じポーズのウルトラマンタロウの3尺模型を改造した。山口デザイナーは80の胴体素材にスキーウェアを試してみたが、アップ撮影で布地がばれてしまうので、結局これはやめ、従来のウェットスーツ地に戻している。
各世界での活躍[]
M78ワールド[]
劇中では語られなかったが、80は宇宙警備隊の新人であり、地球での活躍いかんによってウルトラ兄弟入りが認められる「ウルトラ兄弟候補生」という設定があった。放送終了後、地球を去ったあとの80がウルトラ兄弟入りを果たしたのかどうかは明らかにされなかった[1]が、円谷の公式見解ではウルトラ兄弟の一員とされた。映像作品で兄弟の一員と認知されたのは2006年の『ウルトラマンメビウス』が初となる。
作中において、ほかのウルトラ戦士から助太刀されたことはほとんどなく、劣勢に立たされることはあったが、怪獣や宇宙人を相手に全勝している(ウルトラ兄弟では唯一)。ただし、第49話でのプラズマやマイナズマとの戦いでは、敗北寸前のところをユリアンの助けで辛勝している。これ以前に80はユリアンに「自分が倒されたらユリアンが地球を守ればいい」と自分の戦死を想定した発言を度々している。
『ウルトラマンメビウス』第41話では矢的猛の姿で登場。本作で学校での勤務描写が描かれなくなった理由について、本人から「怪獣との戦いが激化してやむなく教師の身分を捨てた」と語られた。
TOY1ワールド[]
『ウルトラマンボーイのウルころ』では、ミノルと呼ばれるギガス、番長または兄貴と呼ばれるサタンビゾー、ヒロシと呼ばれるゴース星人らを教え子とする先生という設定で登場。また、こちらの世界では、ウルトラ兄弟に含まれていない。
ギャラクシークライシス[]
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ジャックやエースとともにウルトラマンベリアルと戦い合体光線を披露したが敗北。そのまま光の国の氷結に巻き込まれた。ウルトラマンゼロがプラズマスパーク・エネルギーコアを取り戻したことにより、復活する。
脚注[]
- ↑ 長谷川初範はのちのインタビューで「ウルトラ兄弟には入っていないと思う。そういうエリート集団に入らない生き方もいいのではないか」という旨のコメントをしている。