ウルトラマン物語 | |
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監督 | 高野宏一 |
脚本 | 平野靖士 |
製作 | 円谷皐 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1984年7月14日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
キネマ旬報 | |
『ウルトラマン物語』(ウルトラマンストーリー)は、1984年製作の映画。
概要[]
本作よりも前に制作されたウルトラシリーズの劇場版は、日タイ合作の『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』を除けば、テレビシリーズの一話をそのまま上映するか、テレビシリーズを再編集して繋ぎ合わせるものであった。だが、本作は半分以上が新撮影シーンで、ウルトラマンタロウがウルトラの母とウルトラの父の教えを受けながら、少年(地球人で言えば10歳程度)から青年へと成長する過程を描いた、劇場版オリジナルの物語となった。テレビシリーズのサイドストーリー的位置づけで、流用シーンもテレビシリーズのエピソード設定に準じたものになっていて、タロウの成長の合間に起きた事件として使われた。また、タロウが研究のために見る歴代ウルトラ戦士の戦いにも使われている。その中には、テレビシリーズでは『タロウ』よりも後に放送された『ウルトラマンレオ』や『ウルトラマン80』の戦いもある。
また、『ウルトラマンレオ』や『ザ☆ウルトラマン』の音楽が一部流用されている。
本作ではタロウの心身の成長を描くことが前提となっているため、東光太郎の姿では登場していない。他の兄弟も、同様に人間体になったのは設定上のみで、画面上はそのシーンが省略されてストーリーが進行しているため、人間体でのテレビ版からのフィルム流用もない。
本作以降、2006年の『ウルトラマンメビウス』やその劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』まで、海外作品やオリジナルビデオ作品の『ウルトラマンネオス』を除き、昭和のテレビシリーズに関連する「M78星雲光の国」や「ウルトラ兄弟」といった設定は、制作されたウルトラシリーズの各作品に反映されなかった。
本作でウルトラマンタロウの声を演じた石丸博也、ウルトラの母の声を演じた池田昌子らは、2006年の『ウルトラマンメビウス』でもタロウとウルトラの母の声を演じている。
制作費は2億円。
公開後、コロムビアから本編の音声にシリーズ各作品の主題歌を挟んだコロちゃんパックカセットが3巻リリースされた。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
物語[]
M78星雲ウルトラの星。ウルトラマンタロウが一人前のウルトラ戦士を目指して特訓に励んでいた。怪獣は全て悪い怪獣だと思っていたタロウだったが、ウルトラの星に生息する善良な怪獣ドックンとの出会いを機に、怪獣の中には平和を愛する怪獣もいるということを知る。
特訓を続けながら成長したタロウはある日、訓練中にウルトラの父が自分に実戦を許してくれない理由を考え、それが理由でミスを犯す。それこそ、ウルトラの父がタロウに実戦を許さない理由だった。しかし、ウルトラの父に一喝されたタロウは己の慢心を認め、以前よりも特訓に力を注ぐようになった。
そして、遂にタロウに実戦を許されるときがきた。ウルトラマンと引き分けたメフィラス星人が、ウルトラセブンに倒されたエレキングを改造エレキングに強化改造し、地球に再び現れたのである。張り切って地球へ向かったタロウは、改造エレキングとメフィラス星人を見事に倒したが、ウルトラの父は「まだ学ばねばならないことがある」と、タロウに特訓を続けさせる。
不満を抱きながらも特訓を続けるタロウは、不思議な夢を見た。それを聞いたウルトラの父は尋常ではない驚きぶりを見せると、タロウに最後の特訓を課した。それは、ウルトラの父が発したエネルギーをタロウが頭部のウルトラホーンで吸収するというものだった。この特訓こそ、宇宙の帝王ジュダに対抗するためのものだった。
登場怪獣[]
宇宙の帝王 ジュダ[]
- 身長:60メートル
- 体重:3万2千トン
宇宙の歪みから生れた悪魔。5万年前にウルトラの父によって封印された。本作では、地球を襲ったヒッポリト星人やバルタン星人 、エンマーゴはジュダの手下という設定になっている。宇宙の歪みは消し去る事ができないため、数万年ごとの彼の復活は避けられないが、ウルトラマン達が何世代にも亘って封印し続けている。グランドキングが倒されると同時に苦悶の内に消え去った。
超合体怪獣 グランドキング[]
- 身長:70メートル
- 体重:21万5千トン
ジュダの力によって、宇宙に漂う怪獣の悪霊が集結して誕生した怪獣。そのボディのパーツは角がゴモラで尾はツインテールだと言われているが、タイラントなどの過去のウルトラシリーズで登場した合体怪獣のように明確に合体したパーツが判断できる形状ではない。全身が金属質の装甲に覆われているため、むしろロボット怪獣との印象が強い。腹部に無数の光の明滅があり、活動中は常に明滅している。
主な武器は頭部から撃つ「グランレーザー」と呼ばれる破壊光線と右腕の巨大な鉤爪である。飛行形態では足首が逆転しており、空間戦闘もこなすが本領は格闘戦で、惑星フェラントとその宙域でウルトラ兄弟と対決する。凄まじい怪力とウルトラ兄弟の必殺光線一斉発射すら跳ね返すほど非常に強固な装甲を誇り、圧倒的な戦闘能力でウルトラ兄弟を追い詰めるが、ウルトラ5兄弟の力を与えられたスーパーウルトラマンになったタロウのコスモミラクル光線を浴びて大爆発を起こし、消滅した。
『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』に登場したグランドキング[]
『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』第5話「レイオニクス暗殺計画」に登場。
今作ではガッツ星人の操る怪獣として登場。バトルナイザーのデータ収集の為に、ガッツ星人に呼び出される。そして巨大化したガッツ星人と共にバトルナイザーの怪獣との戦いを繰り広げた末、倒された。
ステータスは原作同様スピードが低いものの、それ以外は高く設定されている。今作ではロボット怪獣として扱われており、雷属性攻撃には滅法弱く、スピードゲージもロボット怪獣のものである。必殺技は劇中使用した「グランレーザー」、「グランビーム」の他、両腕の爪で連続攻撃する「グランクラッシュ」が使える。グランビームには高熱属性が付加されている。
小型怪獣 ドックン[]
- 身長:27メートル
- 体重:1万トン
ウルトラの星に住むおとなしい怪獣(ただし、怒ると強い)。少年時代のタロウと出逢い、特訓相手になる。
その他[]
以下、全て過去の作品からの流用映像で登場。
- タイラント
- アントラー
- ボーグ星人
- ミクラス
- エレキング
- グドン
- ツインテール
- ゼミストラー
- イカルス星人
- ガンダー
- キングザウルス三世
- タッコング
- メフィラス星人
- ヤプール
- シルバーブルーメ
- レッドキング(3代目)
- バルタン星人(5代目)
- ヒッポリト星人
- エンマーゴ
テンプレート:ネタバレ終了
キャスト[]
- ウルトラマンタロウ:城谷光俊(声 - 石丸博也)
- ウルトラマンタロウ(少年時代):加藤明人(声 - 野沢雅子)
- ウルトラの父:今井朝幸(声 - 石田太郎)
- ウルトラの母:岩槻由美子(声 - 池田昌子)
- ゾフィー:稲田芳寛(声 - 津田喬)
- ウルトラマン:杉本匡功(声 - 堀内賢雄)
- ウルトラセブン:安田聖一(声 - 松田重治)
- ウルトラマンジャック:上野雅則(声 - 小室正幸)
- ウルトラマンA:柳田雅一(声 - 佐藤弘)
- ウルトラマンレオ(声):佐藤弘
- ウルトラマン80(声):小室正幸
- ドックン:深沢政雄
- ジュダ(声):和田啓
- グランドキング:宮本知彰
- ナレーター:金内吉男
スタッフ[]
- 監督:高野宏一
- 製作:円谷皐
- プロデューサー:円谷皐、宇川清隆
- 脚本:平野靖士
- 構成:藤島浩一郎、金田益美
- 企画:円谷皐
- 撮影:山本武
- 音楽:円谷音楽出版
- 音楽プロデューサー:玉川静
- 編集:浦岡敬一
- 照明:牛場賢二
主題歌[]
- エンディングテーマ
- 「ウルトラマン物語〜星の伝説〜」
- 作詞:谷のぼる / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎、こおろぎ'73
- 挿入歌
- 「愛の戦士タロウ」
- 作詞:谷のぼる / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
関連項目[]
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